Hikaru Imai

相棒 Aibou

平井：

人助けなんて、柄にもねえことするもんじゃねえな。

杉下：

柄にないことをなぜしたのですか。

平井：

さあな。出来心だよ。つい魔が刺したってやつさ。ただ、

<回想シーン>

平井：

あの婆さんの声ちょっと似てたんだよ、俺がムショに入ってる間に死んじまったお袋に。

杉下：

あなたは魔が刺したと言いましたが、もしイトさんを助けず動画を撮られることもなく、ここで事情聴取を受けていなかったとしたら、昨日の夜あなたは事務所で古内に襲われていたでしょう。

冠城：

サバイバルナイフを所持していたというから命が危なかったかもしれません。

杉下：

ほんの出来心でしたことが、結果的にあなたの命を救ったのだとしたら、それは魔が刺したのではなく、神が手を差し伸べたと言うべきかもしれませんね。

平井：

へへへ。
上手いこと言うねあんた。詐欺師になったら成功するよ。この商売、どれだけ人の心のあやが読めるかが勝負だからさ。素質あるよ刑事さん。

冠城：

たしかに。

杉下：

それはかいかぶりと言うものです。

平井：

散々神様を利用してきたんだ。助けてくれるはずないさ。

杉下：

そうでしょうか。神様だってつい、出来心を起こすことがあるのかもしれませんよ。